あの子と私
真雪ちゃんと同じクラスになりませんように。

真雪ちゃんが白百合さんじゃありませんように。

ヨシが真雪ちゃんの事を好きになりませんように……。



そして私は翌日、勉強で忙しい振りをした。

父親の帰りが遅い事もあって、母親は真雪のご飯を作る事はなく、二人きりで食事をとる。

真雪はちゃんと食べているのか…気になっても聞けないのは、母親が真雪を毛嫌いしてるからだけじゃない、変な感情が私を支配する。


大丈夫。


真雪ちゃんが同じクラスじゃなければ、私はきっと真雪ちゃんに優しく出来る。

そして真雪の初登校の日、私はいつもより早く目が覚めて、学校に行く支度をすると、鏡の中の自分を眺めた。

もっと目が大きかったら、もっと鼻筋が通っていたら、唇が魅力的だったら……。


真雪ちゃんの事なんて、こんなに意識する事なんてなかったのに…。


何で私、お母さんに似なかったんだろう…?


溜息が零れそうになった時、部屋の外から声が聞こえた。


「真雪だけど入っていい?」


少し憂鬱になりながらも、私は返事をする。


「…うん」


真雪が部屋に入り、真雪の姿を見ると更に憂鬱になった。

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