あの子と私
大丈夫。


ヨシも余り期待してないみたいだし、同じクラスじゃないよ。


きっと……。

チャイムが鳴り、みんなが席に座ると、私は頭の中で必死に祈った。


真雪ちゃんと同じクラスにじゃありませんように……。


クラスの子達もソワソワしながら静かになって、いつもより少し遅く、教室のドアが開く。


そして担任が教室に入り、その後ろを歩く真雪の姿が目の中に飛び込んで来た。


その瞬間、私は思う。


やっぱり……


神様なんて居ないんだ



真雪は担任の後ろを歩き、教壇まで行くと立ち止まる。

そして前を向くと、クラスの子達の顔を見ていき、私と目が合った所で微笑んできた。

そんな笑顔を見せられても、私は全然嬉しくない。


何でこのクラスに入って来るの?


真雪が先に目を反らし、私はゆっくりとヨシの方に視線を向ける。


するとヨシは呆然とした顔で真雪を見ていた。


その表情に又不安が一層深まる。


真雪が白百合さん…な訳ないよね?


真雪が想像以上に奇麗だから、ビックリしているだけに決まってる。

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