あの子と私
「移動のある授業とか、場所がよく分からないし…。不安だったんだ。だからアリスちゃんの顔を見て凄くホッとしちゃった」


みんな”何で川野さんなんかが福原さんと話してるの?”


そんな顔をしてる。

そして少しすると、トモがこっちに向かって来た。

トモは私と真雪の顔を見て聞く。


「二人知り合い?」


知り合いっていうより、少し前から一緒に住んでいるなんて、何故だか言いたくないし、知られたくない。


「実はね、私この」


真雪がそう言いかけた時、私の口から咄嗟に言葉が出た。


「この前道を聞かれて教えたの。で同じ高校に転校して来るって言うから、少しお茶したんだ。ね?」


すると真雪はぎこちなく答える。


「う…うん」


それより…何でいつもみたいにヨシは来ないんだろう?

私は気にしてない素振りをしながら、トモに聞く。


「てんヨシは何で来ないの…?」

「照れてんじゃね?」


真雪ちゃんが居るから……?


「…珍しいね」

「アイツ軽いけど、本気の女には奥手なんだよ」


それってどういう意味?

真雪ちゃんに本気って事……?


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