あの子と私
真雪ちゃんには悪いけど。


そして真雪達の輪の所まで行くと、その中に入って真雪に言った。


「あのね、真雪ちゃん。私、真雪ちゃんが転校して来る前はヨシ達とお昼を食べてたの。今日から又三人で食べようって言われたから、一緒に食べれなくなったんだ」


真雪は少し戸惑った顔をして答える。


「…そうなんだ?」


そして少し俯いて寂しそうな顔をして見せた。

その顔を見ると、真雪が可哀想に見えて来る。


『真雪ちゃんも、一緒に食べる?』


でも、真雪が一緒に食べる様になったら、ヨシを真雪に取られてしまうかもしれない。

その時、星野が真雪に笑顔を向けて言った。


「じゃあ、真雪ちゃん。今日から私達と一緒に食べようよ」


え?

星野さんと真雪ちゃんが…?


「うん!」


そう言って星野に笑顔を向ける真雪に、変な感情が沸いていくのが分かる。

私はヨシ達と一緒に食べるようになる迄、ずっと一人で居たのに?

私は、そんな事を言われた事なんてなかった。

何で真雪ちゃんには……。


そう思った時、ヨシの姿が目に入った。


でも……いい。


今日から又、ヨシとお弁当を一緒に食べられるんだから。

そんな事、気にしなくていいんだ。

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