あの子と私
星野達が羨む声を出す中、真雪は顔色を伺う様に私に聞いた。


「いいの?」

「うん」


良いわけがない。

でもそんな事言えない。


ヨシが…ヨシが真雪ちゃんを好きになってしまったら?

……真雪ちゃんがヨシを好きにならなければいいんだ。

そう思って瞬間、私の口が動いた。


「トモさ、真雪ちゃんの事好きみたい。真雪ちゃんはどう思う?」


私は頭がいい。


真雪ちゃんとトモがくっつけばいいんだ。

すると真雪は少し黙り、寂しそうに言った。


「私は…この前お母さんが亡くなったばかりでしょ?環境が一気に変わって、彼氏とかそんな気分じゃないよ」


そして少し寂しそうに笑って見せる。


「ふーん…」


私はその言葉を聞いて少しだけ安心した。


もしヨシが真雪ちゃんを好きになっても…好きだったとしても、大丈夫なんだ。


二人でヨシ達の所に行くと、真雪が聞いた。


「私も入れて貰っていいの?」

「あぁ」


ヨシは真雪をまともに見ないで、トモが答える。


「じゃあ食べよ?」


真雪はそう言うと、お弁当袋の中からコンビニのおにぎりを二つ取り出した。

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