あの子と私
『どんな可愛い子でも白百合さんには敵わないよ』


私は箸を持つ手を止めて、二人の会話を聞く。


「私の方こそビックリしちゃって…ごめんね」


やっぱり……ヨシが駅で声を掛けた”白百合さん”って…真雪ちゃんの事だったんだ……。


何で…真雪ちゃんなの……?


私の苛立ちを感じたのか、真雪は私の顔を覗き込んで聞いた。


「アリスちゃん…顔色が悪いけど、どうしたの?」


どうしたの…?

真雪ちゃんに今の私の気持ちなんて解らない。

私は真雪の肩を押して言った。


「大丈夫。何でもないから」

「アレだよ。アリスは試験が近いから、どうせ勉強の事でも考えてたんだろ?」


トモがそう言って笑うと、私はハッとして慌てて答えた。


「う、うん。そうなの」


私の態度をヨシが、変な風に思うかもしれない。


嫌な奴だって


でもヨシはいつもと変わらないように言う。


「今日学校が終わったら久々に遊びに行かない?って誘おうと思ったんだけど、試験近いんだったな。試験が終わったらみんなで何処かに行かない?」


何も変わらないヨシの言葉に少しホッとしてると、真雪がヨシに聞いた。


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