あの子と私
「私もいいの?」

「当たり前じゃん」

「じゃあ楽しみにしてるね!」


二人のやり取りを見ていると、又胸の中がどんよりした。

でも大丈夫。

真雪ちゃんがヨシを好きにならなければいいんだ。

そして試験も頑張らないといけない。

真雪ちゃんがどれくらい出来るか分からないから、いつもより頑張らないといけない。

真雪ちゃんは家では可哀想だけど、もしも私より勉強が出来たら、お母さんも変わってしまうかもしれないから。

それから私はいつもより更に勉強を頑張った。

学校でも家に帰えってからも、ずっと勉強をする。

そして母親はそんな私の部屋に時々来ては言う。


「アリス、お夜食持って来たわよ」

「…うん」


母親は部屋に入ると、テーブルの上に夜食を置き、ベッドの上に腰を掛けると、いつもと同じように言った。


「どう?勉強の方は。はかどってる?」

「うん。頑張ってるよ」


すると母親は強い口調になって言う。


「そうよ。頑張るのよ!いい?アリス。あの子には絶対に負けたらダメ!!絶対によ?!」

「……うん」

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