あの子と私
ー翌日


私は朝からワクワクしていた。

テストは私の努力のありのままを評価してくれる。


見た目とか、性格とか、人間の不必要な感情を排除して、努力がそのまま点数になって、私を評価してくれるんだ。

そして、その評価が高ければ高いほど、私は両親に愛される。


真雪ちゃんは勉強の事なんて気にしてなさそうだけど、うちはそんなに甘くない。

大丈夫なのかな?


酷い点数を取って追い出されないといいけど。

色んな事を頭の中で想像して、真雪の言葉も耳に入らない。



学校に着き、一時間目が始まる。


先生は解答用紙を取り出すと、一人ずつ名前を呼ぶ。


「川野」


私は先生から回答用紙を受け取ると、席に戻りソッとテストの点数を確認する。


点数を見た瞬間、笑みが溢れた。


良かった……。

この点数なら、お父さんもお母さんも喜んでくれる。


「福原」


真雪が呼ばれ、私は思わず真雪の方に視線を向けた。

真雪は席に戻り、解答用紙を確認してる。

少しだけ笑ってる…?


でも、出来なかったって言ってたし、大丈夫だよね?



二時間目、三時間目と全部のテストを返して貰い、今迄で一番良いくらいの結果を貰い、全部の授業が終わった。

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