あの子と私
授業が終わると、私の所に真雪が来る。


「アリスちゃん、帰ろ?」

「うん」


席を立とうとした時、ヨシが来て話し掛けて来た。


「アリス、今日遊びに行かない?」

「ごめん。今日は早く帰らないといけないから…」


せっかくヨシが誘ってくれたのに、テストが帰って来た日は早く帰らないといけない。


「そっか。福原さんはどうする?」


え?真雪ちゃん…?

私が行けないのに真雪ちゃんを誘うの?

気分が落ちて、自分の顔が歪んでいくのが分かる。


ヨシとトモと私の三人で居たのに、ヨシとトモと真雪ちゃんが仲良くなったら……。


私の居場所が又、無くなってしまうかもしれない。


「…私も今日はいいや。ごめんね!でも又誘って?」


真雪の言葉にホッと胸を撫で下ろす。

良かった……。


「じゃあ、真雪ちゃん帰ろうか?」

「うん。じゃあね、バイバイ!」


ヨシと別れ、真雪と一緒に学校を出ると家へと向かう。

少し歩いた所で真雪に聞いた。


「真雪ちゃん、テストどうだった…?」


大丈夫だとは思うけど、不安なんだ。


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