あの子と私
そう言って父親は私に笑顔を向け、私は凄くホッとした。


良かった……。
私の事を認めてくれてる。

そう思った時、母親が凄く深刻な顔をして、低い声で父親に言った。


「それより、問題はこっちなのよ…。うちに居るのにこんな点数を取られたら、貴方迄恥をかいてしまうわ」


私はこんな酷い点を取った事はないけど、一番悪かった時でも凄く怒られて、部屋から出して貰えなかったんだ。

こんな点数を取って、許される訳がない。

心配な気持ちと、ワクワクする気持ちでドキドキする。

お父さんは何て言うの?


真雪を見ると視線を逸らし、悲しそうな顔をして俯いている。

私は視線を父親に移し、父親の言葉を待つ。


緊迫した空気が流れ、少し沈黙が続くと、父親は優しい表情を真雪に向けて言った。


「勉強だけが全てじゃない。人には得意、不得意があるからな。真雪はアリスより勉強が得じゃなかっただけなんだよな」


勉強だけが全てじゃない…?


嘘でしょ……。

何で怒られないの?

私は……私はいつも勉強勉強って言われて、勉強が出来ないと人生の終わりっていうくらい、人間じゃないっていうくらい、煩く言われてたのに……。

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