あの子と私

正美さん

ー翌朝


私はいつもより早く目が覚める。

昨日のあの出来事のせいで、余り眠れなかった。


少しだけボンヤリして、起き上がると顔を洗い、歯を磨く。



そして部屋に戻ると、以前ヨシに買って貰ったコンタクトを、机の引き出しから取り出し、目の中に入れる。


やっぱり、上手く入らない。


何度も何度も挑戦するけど、目を上手く開けられなくて、なかなか入らない。


15分くらい掛かってやっと右目にコンタクトが入る。


やっと入った……。

そう思い、左目にもコンタクトを入れようとした時、部屋のドアをノックする音が聞こえた。


真雪ちゃん……?


「…はい」

「アリスちゃん、そろそろ行かない?」


やっぱり真雪ちゃんだ。


真雪だと確信すると、何故だか凄く不愉快になり、少し考えてから私は答える。



「…先に行ってて」

「何かあったの?入っていい?」

「ダメ!何も無いから先に行っててよ!!」

「ごめんね…。じゃあ、先に行くね」

「……」


ちょっと言い過ぎたかもしれない。

でも、まだ真雪ちゃんには見られたくないんだ。


みんなに可愛いとか綺麗とか言われて、制服も可愛く着こなしている真雪ちゃんには……。


< 137 / 343 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop