あの子と私
曇る私の顔とは正反対に、真雪の顔は満面の笑みになっていく。


「眼鏡取ったの?スカートも短くなって、凄く可愛い!」

「……」


真雪ちゃんの方が全然可愛いのに、本当にそう思ってるの?

それに私、真雪ちゃんじゃなくて、ヨシに一番に見せたかったんだ……。

何で待ってるの?


私は真雪の言葉を無視して、歩き始めた。

真雪は黙ったまま、私の後を歩く。

一緒に歩きたくない。

そして改札が見えると、私は速度を上げてグングンと歩いた。


勝手に行けばいい。
着いて来ないでよ…!


そう思った時、誰かとぶつかった。

痛い…。

立ち止ってたら真雪ちゃんが来てしまう。

私は無視してそのまま歩き出す。


すると誰かが後ろから私の肩を掴んだ。


何……?


そう思いながら立ち止り、後ろを振り返ると、私は言葉を失った……。


私の肩を掴んだのは、金髪頭で濃い化粧をした女で、制服を見ると、この辺では荒れているという評判の高校の制服だ。


私の真雪に対する怒りは、あっと言う間に消えて泣きそうになる。


ぶつかったのはこの人だったんだ…。

どうしよう……。

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