あの子と私
少し歩いて振り返ると、不安そうにこっちを見る真雪の姿が目に入る。

関係ない。

真雪ちゃんなんて関係ない。


そして又前を向き、女の後を着いて行く。

でも…時間が経ち気持ちが冷静になるほど、不安がどんどん大きくなっていった。


勢いで着いて来てしまったけど、このまま着いて行って監禁でもされたらどうしよう……。


女は黙ったまま歩き、私はそのまま着いて行く。


今更逃げられない。

どうしよう……。


とんでもない事をしてしまったかもしれない。


そう思った時、女は立ち止って言った。



「ここだよ。入りな」


そこは一軒家で、お世辞にも奇麗とは言えない、どちらかというと、今にも壊れてしまいそうな感じで、女は中に入り、私も一緒に中に入る。


「…お邪魔します」

「……」


家に入ると女は黙ったまま、少し埃っぽい階段を上がった。

そして部屋の中に入ると、女は窓を開けて言う。


「タバコ臭いか?」

「…はい」


そう答えると女は笑いながら言った。


「お前、面白いな。まぁ、座れよ?あー、座布団は無いから、これを使いな」


女はそう言ってペチャンコになったクッションを私に投げる。

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