あの子と私
正美は私の言葉を遮るように、怖い顔をして強い口調で言った。


「アリスはさ、学校をサボるような奴じゃないだろ?アリスみたいな奴は、ちゃんと学校に行った方がいいんだ」

「……」

「アタシに着いて来たくらいだから、よっぽど何かがあったんだろうけど…学校はちゃんと行けよ?」


正美さんは

真雪との事を何も言わなくても

私の事も私の気持ちも

全部見透かしているみたいで……。


『まだここに居たい』なんて


とてもじゃないけど言えない……。


私が下を向くと、正美は今度は笑いながら言った。


「本当はさ…アタシがやばいんだよ。単位が」


そしてタバコの火を消す。


「行こうぜ、アリス」

「…はい」


時計を見ると、まだ10時半で今からだと4時間目に間に合うだろう。

私は又正美の後ろを歩き、駅まで向かう。

真雪ちゃんはあの後どうしたんだろう?

もしかしたら、ヨシとトモと三人で居るかもしれない。

私が居ない所で私より仲良くなったら……。

そう思うと又不安で胸がいっぱいになる。


黙ったまま駅まで歩き、駅に着くと正美に言った。


「又…家に行ってもいいですか?」


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