あの子と私
「うん!すっごく似合うよ!それにね、ピンクって風水的に恋愛にいいんだって。上に着る服がピンクじゃなくてもいいの。下着がピンクでも効果があるんだって!」

「私は別に恋愛なんて…」


ヨシの顔が浮かび、少し恥ずかしくなる。

真雪は俯いている私にニッコリ笑って言った。


「アリスちゃん、少しだけお化粧してみない?」

「お化粧…?」


お化粧はした事ない。


どんな感じなんだろう?


「うん。私、人にお化粧してみたかったの。こっちに座って?


真雪は嬉しそうな顔をして化粧台の所に行く。



どうしよう


すこし恥ずかしいけど、やって貰おうかな……。

私は化粧台の前に座る。

それより…朝からずっと真雪ちゃんにあんな態度を取っていたのに……。

少し胸が痛んだ。


「朝はごめんね」

「ううん。一人になりたい時だってあるよね。私が無神経だったの。ごめんね」

「そんな事ない!私が悪かったから」


だってよく考えたら、真雪ちゃんは悪い事をした訳じゃない。

一瞬だけ時間が止まって、二人で顔を見合わせて笑う。


「じゃあ、やるね」

「うん」

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