あの子と私
真雪は慣れた風に化粧を手にすると、私に聞く。


「アリスちゃんはどんな感じにしたい?」

「んー。自然で…可愛い感じ」


真雪は慣れた手付きで私の顔にファンデーションを塗っていく。

あの細いのは何に使うんだろう?

あの沢山の色の化粧品は何に使うんだろう?

初めての体験に、胸がワクワクする。


「じゃあ、マスカラは透明にしてみようか?」

「私…よく分からないから真雪ちゃんに任せる」

「了解!」


真雪と会話をしながら、真雪は手を動かしていく。

そして私の顔は真雪の手で作り上げられ、暫くすると真雪が聞いた。


「どうかな?」



凄い…!

化粧をしてる感じじゃないのに、目が大きくなって、鼻筋も通って、顔色もよく見える。


「うん!」

「ちょっとワンピース着てみて」


これであのワンピースを着たら、どんな感じなんだろう…?


ワクワクする。

私は真雪が選んだワンピースを汚さないように着替え、鏡をジッと見た。


私じゃないみたいだ…。


思わず笑みが浮かぶ。


「やっぱりよく似合ってる」

「本当?」

「うん。明日はこれで行こうよ」

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