あの子と私
バタンと玄関が閉まる大きな音が聞こえると、母親の足音が私の部屋に近付き部屋の前で止まると、ノックする音が聞こえた。


「アリス、入るわよ?」

「…うん」


そして母親は部屋に入るとベッドの上に腰を掛ける。


「どう?勉強は」

「…順調だよ」

「そう……。お父さんね、出張に行ったわ」


お母さんの次の言葉は聞かなくても分かる。

”今日のご飯はアリスと二人ね。晩御飯は…出前でもいい?”


「今日のご飯はアリスと二人ね。晩御飯は出前でもいい?」


そして私はいつも通り答える。


「うん。カツ丼でいい」

「分かったわ。18時に持って来てもらう様にするから。お母さん、ご飯を食べたら今日は早めに休むわね」


母親はそう言って部屋を出て行って、私は又勉強を始めた。

父親が居ない日の晩御飯は母親は出前を頼む。

ご飯を食べると早くお風呂に入って、身体を休める。


私はお母さんに聞きたい事があるんだ。


怖くて聞けないけど



お母さんは私の事……。


< 16 / 343 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop