あの子と私
私は正美の姿を探す。

だけど見当たらなくて、一度立ち止まり正美の姿を探した。

居ないのかな…?

単位がヤバいって言ってたから、まだ家で寝てるだけかもしれない。

早くお礼が言いたいのに……。


「…アリスちゃん?」


いつの間にか少し先を歩いてた真雪の声にハッとし、私は急いで真雪の所まで行くと、速足で改札へと向かう。

そのまま歩いていると、真雪が言った。


「今日は何処に行くんだろうね。そう言えば、ワンピース買って貰ったんでしょ?」

「えっ?」


何で知ってるの…?

何でアンタが知ってるのよ……?

怒りが込み上げて来る。

すると真雪は慌てた様に言った。


「昨日、寝る前に水を飲みにキッチンに行ったら、アリスちゃんのお父さんが居て、そう言ってたから」

「ふーん…」


本当に?何だか信じられない。
もしかして真雪ちゃんが頼んだんじゃないの…?!

その時、さっき考えていた事が頭に浮かぶ。

怒ったらダメ。
もし真雪ちゃんが頼んだとしても、私が怒って聞いたら、真雪ちゃんは本当の事は言わないだろう。

だったら…優しく聞けばいい。

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