あの子と私
私は怒りを必死に抑え、顔の筋肉を緩めると、優しい口調で真雪に聞いた。


「もしかして…真雪ちゃんがお父さんに頼んでくれたの?」

「えっ?」

「だって、私がお父さんにねだってた所も見てたみたいだし、私がワンピースを凄く欲しがっていたのも…知ってたでしょ?」


そして優しく微笑む。

すると真雪は安心した顔をして話し始めた。


「昨日ね…アリスちゃんが出て行った後、お願いしてみたの。そしたら”分かったよ”って言ってくれて。余計な事かとも思ったんだけど…」


やっぱり……真雪ちゃんが頼んだんだ……!!


抑えていた怒りが又込み上げて行く。

お父さんは…勉強を頑張ってるご褒美なんかじゃなくて……真雪に頼まれたから私にワンピースを買ったの…?!

怒りが大きくなって…唇が震える


「アリス…ちゃん…?」


そんなか細い声で……本当はアンタこそ計算してるんじゃないの?!


「余計な事しないでよ!!アンタさ、いい子ぶって本当は全部計算なんじゃないの?!」

「計…算?」


真雪の顔が歪んだ。

だって計算に決まってる。


自分はいい位置に行き、いい子だと思わせて私をどんどん惨めにさせる。

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