あの子と私
私とヨシとトモの思い出があるから、これ以上真雪に入って来て欲しくないんだ。


「寒いから…海は嫌…かな」


私は感情を必死に抑えながら、そう言って笑って見せる。


「ほら、そんなに行きたいなら今度俺が連れてってやるから、今日は暖かい場所に行こうよ」

「暖かい場所って?」


遠回しにヨシのデートの誘いを真雪はスルーして、二人は延々と楽しそうに話してる。

帰りたくなる。

そう思った時、背中をポンポンと叩かれた。

振り向くとトモが、慰める様な、少し寂しそうな顔で優しく笑っていた。


終業式を迎え、行先も決まらないまま、2学期最後の学校は終わる。


「じゃあ、後でね」

「ああ」


集合場所を高校の最寄り駅の隣の駅に決めて、私と真雪は家へと向かった。


昨日真雪ちゃんにして貰った化粧…又して貰おうかな。


カタカタ電車に揺られながら、真雪に頼む。


「真雪ちゃん、又化粧をして貰っていい?昨日みたいに」

「勿論!」


真雪は笑顔でそう答えると家に着いてすぐ、化粧をしてくれた。

そして部屋に戻るとクローゼットを開け、着て行くワンピースに悩む。

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