あの子と私
「あの子と居た方がアンタの為だって言ってんだよ!」


そう言う正美の視線の先を見ると、真雪が心配そうな顔をして、こっちを見ていた。


『アリスが…本当に辛い時はいつでも来な』



そう言ってくれたのに


何で……?


正美は呆然と立ち尽くす私を見て、更にキツく言った。


「アリスとはさ、住む世界が違うんだ!こっちに来られても迷惑だって言ってんだよ!!」


ズキンって胸が痛む


「早く行けよ!!」


正美の怒鳴り声が響いて、周りの人が一斉に振り返る。


こっちを見ないで



……見るなよ



仕方なくポツリポツリと歩き出し、真雪の所に辿り着いて振り返ると、正美の姿はもう無かった……。


「大丈夫だった?」


真雪はそう言って私の顔を心配そうに覗き込む。


正美さんはそんな人じゃない


真雪ちゃんが『大丈夫だった?』って聞くような、酷い人なんかじゃない。


「……」

「行こうか?」


真雪の言葉に小さく頷き、改札に向かう。


もうすぐヨシに会えるのに、心の中はモヤモヤする。

電車に乗ると真雪はいつものように話し掛けて来た。

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