あの子と私
「ヨシ、ちょっと交代しね?アリス調子悪いみたいだし、お前ら二人並ぶと歩くの速すぎ!」

「あー、分かった」


ヨシと真雪が立ち止り、私とトモは二人にゆっくり追い付く。


「頑張れよ」


トモは小さな声でそう言って真雪の隣に行き、ヨシは私の隣に来て言った。


「大丈夫?」

「…うん」

「うちに来たらベッドに横になればいいよ。服、シワになんないように、俺の貸すから」

「……」


そう言いながら、ヨシの視線は真雪を追ってる。

何とかしなきゃ……。


ヨシと真雪が付き合う事が


1+1=2


で正解であるとするなら、後からでも私が無理矢理参戦して


1x1=2


にして、不正解にしてやればいい。


「…アリス?」

「えっ?」


顔を上げるとトモと真雪が目の前に居て、その前には大きな家が立っていた。


「着いたけど大丈夫?」


三人が心配そうな顔をして私を見る。


「…大丈夫」

「早く入って暖まろう」


そう言ってヨシが玄関を開けると、少しだけ匂う新しい家の匂いと、暖かい空気が私を包んだ。

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