あの子と私
「わー、凄く広い玄関だね。こんな大きな家に入るのも私初めて」

「大袈裟だよ。上がって?」


ヨシはそう言って少し笑うと中に入り、入るとすぐに綺麗な女の人が出て来た。


「お帰りなさい。今日はお友達と一緒なの?あら、トモくんお久し振りね」


トモは小さく頭を下げる。


「お邪魔します」


私と真雪も挨拶をして頭を下げると、女の人は嬉しそうな顔をして言った。


「女の子を連れて来たのね。ヨシが女の子を連れて来るなんて何年振りかしら?!まぁ、どうしましょう。ケーキで大丈夫?」

「あっ、そんな気を遣わないで下さい」


真雪が笑顔で答えると、女の人は言った。


「まぁ、可愛らしいお嬢さんね。ゆっくりしてらしてね」

「じゃあ、部屋に行くから。何かあったら呼んで」


私は軽く会釈をして、ヨシ達の後を着いて行く。

ヨシの部屋は角部屋で、ヨシが部屋のドアを開ける瞬間、少しドキドキした。

初めて見るヨシの部屋。

そしてヨシは部屋を開けて言う。


「どうぞ」


部屋に入ると、普通より多い窓と日当たりの良さが、真雪が使っている部屋と少し被って、嫌な気分になった。


< 177 / 319 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop