あの子と私
四人で玄関を出る瞬間、私はヨシの母親に会釈だけし、真雪とタクシーに乗る。


「お金は払ってあるから、住所を言ってね」

「ありがとう」


真雪と一緒にそう言い、家の住所を告げるとタクシーは走り出した。

真雪は何も言わないで、窓の外を眺めていて、ラジオの音だけがタクシーの中を占領する。

ヨシの元気が無くなったのは可哀想だけど、真雪ちゃんがちゃんとヨシの事を振ってくれて良かった。

もし、真雪ちゃんが断らなかったら、同じタクシーに乗るなんて…絶対に嫌だ。


真雪ちゃんは今、何を考えてるんだろう…?


何も話さないまま、タクシーは走り続け、もうすぐ家に着くくらいの所で真雪が口を開いた。


「ねぇ…アリスちゃん」


窓の外を遠い目で見ながら


「何?」

「自分の事を好きじゃないのに一緒に居るのと…お互い好きなのに離れるのって……どっちが幸せなのかな…?」

「……」


そんなの

そんなの分からない。


でも私は思った。


本当は真雪ちゃんは…

ヨシの事を好きなんじゃないかって……。


もしそうなら



絶対に二人をくっつけないように、頑張らないといけない。

















































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