あの子と私
何だか母親が凄く惨めに見えた。


醜くて


惨めに見える……。


お父さんは真雪ちゃんばかりに優しいけど、お母さんには私しか居ないんだ。


お母さんはずっと私の味方だよね……？

そう思った瞬間、気持ちが安らいでいく。

そして母親は私を強く抱き締めて言った。


「アリス…アリスだけは私の味方でいてね」

「…うん」

「そろそろご飯の支度でもするわ。勉強頑張ってね」


母親はそう言い、少し疲れた顔で微笑むと部屋を出て行く。

私は又シャーペンを手に取り、勉強を始めた。


そんな日々が続き、冬休みお4日目が終わりかけた晩御飯の食卓で、いつものように4人でご飯を食べていると、珍しく母親が満面の笑みで口を開く。


「ねぇ、貴方。お正月なんだけどね、久し振りに旅行に行かない？」


旅行……？


「そうだな」

「本当？」

「ああ。真雪がこの家に来て初めての正月だし、親睦を深めるのにちょうどいい。真雪は何処か行きたい所はあるか？」


父親は真雪にそう優しく聞き、真雪は嬉しそに答える。


「私は何処…」


そう言い掛けた時、母親は凄い勢いで話に割り込んで言った。


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