あの子と私
「高校二年生です」

「あらー、じゃあもうすぐ三年生?早いわねー。ついこの間まで小学生だったのにね」


おばさんのその言葉を聞いて、私は思った。

おばさんなら、真雪ちゃんの両親の事を何か知ってるかもしれない。

聞いてみようかな…?


「おばさん」

「何?」

「真雪ちゃんのお父さんって、亡くなったの?」


私がそう言うと、おばさんは一瞬黙り答える。


「真雪ちゃん…?誰だったかしら?」

「福原の真雪ちゃんです。親戚の……」

「やだ、アリスちゃん。うちにはそんな親戚居ないわよ?お母さんの方の親戚じゃない?」


おばさんは笑いながら言うけど、そんなはずはない。

だってお父さんが真雪ちゃんをこの家に招き入れたんだ。

お母さんはそれを嫌がってるのに、お母さんの親戚の訳がない。


「でも…最近お母さんが亡くなって一人だからってお父さんが……。知らないって事は、おばさんはお葬式に行ってないんですか…?」

「お葬式…?福原……」


おばさんはそう言うと、慌てて言葉を続けた。


「あー、福原ね。確かにうちの親戚よ。お父さんはね、早くに亡くなったんじゃないかしら?うん」

「……」


おばさんが嘘を付いた。

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