あの子と私
おばさんは嘘を付くと早口になるって、昔お父さんが言ってた。

じゃあ、真雪ちゃんは一体何者なんだろう…?


「アリスちゃん…?」

「……」


私はそのまま電話を切り、テレビを眺めながらボンヤリ考える。

父親や母親の真雪に対する態度、小森のおばさんの言葉……。


両親に聞いてもきっと答えてくれないだろう。


お父さんの部屋……。

お母さんでさえ入れない、いつも鍵が掛かったあの部屋なら、何か手掛かりがあるかもしれない。

私は部屋に戻り、父親の部屋に入る方法を考える。

お父さんは部屋の鍵をいつも持ち歩いているはずだ。


だったら…お父さんの隙を狙って鍵を手に入れるしかない……。


お風呂に入ってる時…?

それだとお父さんに気付かれるかもしれないし、真雪ちゃんに見られるかもしれない。


誰にも見付からず鍵を手に入れる方法……。


私は考えて考えてノートに書いてみる。


お母さんが居ない今、お父さんにも真雪ちゃんにも見付からず、お父さんの部屋の鍵を手に入れる方法……。


そうだ……!


手に入れるなら早い方がいい。


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