あの子と私
「そうなんだ?」

「うん!でもなかなかお礼って出来ないでしょ?だから、アリスちゃんの考えには大賛成だよ」


良かった。

お父さんを気分良くさせるなんて、これくらいしか思い付かないし、私は料理なんて出来ない。

真雪ちゃんに断られたら、計画が終わってしまう所だった。


「じゃあ、明日何を作るか考えてて?私も考えるから」

「うん!」


私は真雪の部屋を出て自分の部屋に戻ると、何度もノートを見て明日のシュミレーションをする。

ご飯を食べる時も、お風呂に入る時も、何度も何度も頭の中で思い描いた。


そして翌日、夕方になると真雪の部屋に行きドアをノックする。


「はい」

「真雪ちゃん、アリスだけど」

「うん、行くね!」


真雪はすぐに部屋から出て来て、楽しそうに話す。


「昨日ね、アリスちゃんのお父さんが部屋に行った後、冷蔵庫の中をゆっくり見て、何を作ろうか考えてたの!」

「ふーん」


私は料理の事より、あの計画の事で頭がいっぱいだ。


「あっ、冷蔵庫の中を勝手に見ちゃってごめんね…」

「ううん。冷蔵庫の中を見ないと作れる物なんて分からないし大丈夫」

「良かった」

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