あの子と私
「部屋の電気を付けたままだったかもしれないから、見て来るね」

「うん」


私は急いで部屋に戻ると、机の引き出しの中から睡眠促進剤を取り出す。

胸の鼓動が速くなる。

早く…早くお父さんの部屋に入りたい

睡眠促進剤をポケットの中に入れて、部屋の電気を消すと急いで食卓へと向かった。


食卓が近付くと、真雪と父親の楽しそうな話声が聞こえて、私は何も無かったかのような顔をして、その中に入る。


「やっぱり付けたままだった」

「そうなんだ?」

「うん。…それより何か飲み物入れるね」


私がそう言うと、真雪が私の方に来て言った。


「私も手伝うよ」

「いいの。真雪ちゃんは片付けてくれたでしょ?」


テーブルの食器は流し台に置かれ、テーブルの上は綺麗に片付いている。


「でも…」

「真雪ちゃんは座ってて?何飲む?お父さんも何飲む?」


真雪と父親は顔を見合わせ、父親は言う。


「ブランデーの湯割りでいいよ」

「うん。真雪ちゃんは?」

「んー、じゃあ温かい紅茶をお願いしていい?」

「うん」


私は返事をすると、グラスとマグカップを取り出した。

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