あの子と私
父親がいつも置いている場所からブランデーを取り出すと、3分の2くらいブランデーを入れる。
そして真雪が飲む紅茶の用意をすると、2つのコップにソッと睡眠促進剤を入れ、お湯を入れる。
ちゃんと溶けますように。
そしてちゃんと効きますように。
必要以上にかき混ぜると、それを二人に差し出す。
すると真雪は不思議そうな顔をして私をいた。
怪しまれてる……・
「…アリスちゃんのは?」
「あ、忘れてた」
良かった。
怪しまれてないみたい。
私は急いで自分の物を作ると席に座り、二人を見ながら少しだけ会話に参加する。
本当は会話なんて頭に入らない。
早く眠くなればいい。
そればかりを考え、30分くらい経つと二人とも眠そうな顔をして、父親が先に眠りに落ちた。
「寝ちゃったね…。私も何か…凄く眠くなってきちゃった……」
「そうなんだ?後は私がやっておくから、真雪ちゃんは部屋に戻っていいよ」
「…本当?…ごめんね、アリスちゃん」
真雪はボンヤリした顔をして、部屋へと戻って行く。
私は真雪の部屋のドアが閉まる音を確認すると、父親に近付いた。