あの子と私
一人で居るのが落ち着かないんだ。


きっと一人で家に居る事になれてないからだ。

そして父親が玄関のドアを開けると、私は少し声を高くして父親に言った。


「お帰りなさい」

「ああ。……真雪は?」

「『出て行け』って言ったら、出て行った」


そんな事言える訳がない。


「私勉強してたから…知らない……」

「そうか…。友達の所にでも行ったのか?今日は凄く寒い。外は雪が降ってるから風邪を引かなきゃいいけどな」

「……」


雪……?


そんなに外は寒いの?


「今日は丼でも頼むか」

「…うん」


父親は家の中に入り、私は玄関のドアをソッと開ける。


……雪だ


本当に雪が降ってる

真雪のあの最後の後姿が目に浮かんだ。

真雪ちゃんは……行く所が無くて

きっとお金だって余り持ってなくて

今頃何処かで寒さに震えているかもしれない……。

真雪ちゃんが何かした訳じゃなのに、私があんな事を言ったせいで


真雪ちゃんを探しに行かなきゃ……。


私は急いで部屋に戻り少しのお金と、ダウンを取ると急いで玄関へと向かう。


「アリス?」

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