あの子と私
「すぐ戻るから」


私は父親の声にそう答えると、玄関を飛び出す。

もし私だったら何処に行くだろう……?

あそこの公園は…?


近所の公園に行くと、私は真雪の名前を呼んだ。


「真雪ちゃん」


もし真雪ちゃんが居たら一番に言うんだ。


「ごめんね」


そして


「一緒に帰ろう」


って……。


「真雪ちゃん!居ない?」


公園には私の声だけが響いて、何の返事も無い。

手が凄く冷たくて、私はっ手を擦りながら思った。

真雪ちゃんはもっと早くに家を出たんだ。

きっともっと寒くて冷たくなってる

早く探さなきゃ……。

そう思って真雪が行きそうな所なんて分からなくて、行く当てもなく駅へと向かう。

何処に行ったんだろう?

駅に着き、沢山の人の中から真雪の姿を探しながら思う。

ここで待ってたら帰って来る……?

どうしたらいい?

私は立ち止りキョロキョロしていると、金髪頭が目の中に飛び込んで来た。


正美さんだ……!


私は正美の方に駆け寄る。


「正美さん!」

「アリス…」


少し気まずそうな正美の腕を掴んで、私は息を切らしながら言った。

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