あの子と私
そして携帯を置くと、布団の中に入り、正美がお風呂から出て来るのを待つ。


いつもより重くて冷たい布団が少しずつ温まっていく。


早く…正美さん来ないかな。


少しすると足音が近付いて来る音が聞こえた。


私はずっとドアの方に視線を向け、部屋が開く。


「……正美さん?」


正美は頭の上からタオルを被っていて、顔が見えない。


「余り見るなよ。すっぴんなんて暫く人に見せてねぇからな」


私が思わず笑うと、正美は少し大きな声で言った。


「笑うなよ。髪の毛を乾かしたら直ぐに電気を消すからな」

「うん」


そして正美は私に顔を見せないように、髪の毛を乾かすと急いで電気と電気ストーブを消し、布団の中に入る。


「何かさー、こういうのっていいよな。修学旅行みたいで」

「うん…」


私はいつも修学旅行は一人だったけど…正美さんはいっぱい友達が居るんだろうな。


「あー、家、電話したか?」

「うん」

「偉い偉い。何かアタシ、煩いかもしんねぇけど、眠くなったら寝ていいから」


正美はそう言うと一人で楽しそうに話して、少しすると静かになった。


「正美さん……?」

「……」

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