あの子と私
私はいつの間にか眠っていて、目を覚ますと正美はまだ隣で眠っていた。

時計を見るとまだ6時だ。

起こさない方がいい?


暫くボンヤリとしていると、正美が目を覚まし口を開いた。


「…起きてたのか?」

「うん。正美さん」

「何だ?」

「すっぴん……」


外が明るくなっていて、正美の素顔がはっきり見える。

化粧をしていると、キツく見える正美の顔も、あどけなさが少し幼い感じで、優しく見えた。


「そうだった!余り見るなよ」


そう言って正美は慌てて顔を隠す。


「何か食うか?」


7時過ぎ……。

決行するには早い方がいいし、真雪が本当に帰らなかったのかを、早く知りたい。


「お父さん…心配してるかもしれないから」


私がそう言うと正美は優しい目をして言った。


「そうだな。アリスは外泊なんかしないだろうから…親に心配を掛けない方がいいな」


私は頷いて、正美と一緒に玄関へと向かう。


「この面だから、ちょっと駅迄送れねぇけど、道、分かるよな?」

「うん…」

「気を付けて帰れよ」


私は正美に笑みを浮かべて言う。


「正美さん。ありがとう」


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