あの子と私
ヨシの母親は今まで溜め込んでいた物を吐き出す様に言った。


「失礼じゃありませんか!!まるでうちの息子が無理矢理連れ出したかのように…!」

「女同士、男同士ならまだ分かる。男と女を一つ屋根の下に泊めて、何を考えてるんだと言っているんだ…!!もし真雪に何かあったら、責任を取って貰うぞ!」

「ええ、ええ!分かりましたとも!!」

「早く真雪を返せ!!」


父親とヨシの母親は最悪に険悪な雰囲気だ。

もっとやればいい。

そしたらヨシのお母さんは真雪ちゃんの事を、二度とこの家には入れないだろう。


「…どうしたの?大きな声を出して」


上の方から声が聞こえて、顔を上げるとまだ眠そうな顔をした、ヨシの姿が見えた。


「君が真雪を連れ出したのか!?早く真雪を呼びなさい!!」


父親が又声を上げると、今度は真雪がヨシの後ろから姿を見せる。

ここに居るのは分かってたけど、分かってたけど……。

実際に姿を見ると怒りが込み上げる。

ヨシと…ずっと一緒に居たんだ。

私の気持ちを知ってる癖に……!

絶対に許せない……!!


「真雪、早くこっちに来るんだ!帰るぞ!!」

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