あの子と私
学校に着くと直ぐ、真雪の周りに女の子達が集まる。


「おはよー、真雪ちゃん」

「おはよ」

「ねぇ、冬休みは何してたの?一緒に遊びに行きたかったのに。今更だけど連絡先教えてよ」

「ごめーん。私、携帯持ってないし、今親戚の家にお世話になってるから」


真雪が楽しそうに話してるのを横目に、私は席に座ると、ヨシの机の方に視線を向ける。

まだ……来てないみたい。

トモの席を見ても、まだ来てないみたいで、私は席に座ったまま、誰かが来る度、教室のドアに視線を向けた。


後2分でチャイムが鳴る。


久し振りにヨシに会える事にソワソワしながら、私は何度もドアの方を確認する。

もうすぐチャイムが鳴るのに……。

遅刻かな?


そう思った時チャイムが鳴り、教室のドアが開く。


トモだ…!


ヨシも入って来ると思い、顔が綻んだけど入って来たのはトモだけだった。

何でヨシが居ないの?

トモにそう聞こうと思い、立ち上がった瞬間、担任が入って来て私は又席に座る。


休みなの……?


私はヨシの事が気になって、トモの方をジッと見る。

するとトモの口が動いた。


”休み”


って……。

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