あの子と私
もう暫く休む事なんてなかったのに…何で?


あの日の事が頭に浮かんだ。


ヨシの家に真雪を迎えに行った、あの日の事が……。


ゆっくりと真雪に視線を向けると、強い目で真雪を見た。

真雪ちゃんが外泊してるって言った事が、そんなにショックだった?


あの時のヨシの顔……。


ううん、体調が悪かったとかに決まってる。


もし私が付いた嘘のせいで休むのなら、真雪ちゃんの事、凄く好きだったみたいじゃない……。

担任の話しが終わると、急いでトモの所に行き、トモに聞いた。


「ヨシ、どうしたの?」


トモは少し視線を逸らして、私の目を見ると、小さな声で言った。


「落ち込んでる」


やっぱり…真雪ちゃん……?


「…何で?」


私がそう聞くと、トモは答えにくそうな顔をして真雪の方に視線を向ける。


「…真雪ちゃん……?」


トモは視線を落とし静かな口調で言った。


「あぁ…。休み中、何かあったみたいだな」

「あ…うん」


真雪ちゃんがヨシに嫌われる事を望んで付いた嘘なのに、ヨシがこんな風になるなんて……。

結局、ヨシがどれだけ真雪ちゃんを好きなのか、分かっただけだ。


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