あの子と私
トモはそう言うと力強い目で私の肩を押す。

私は又トモのその言葉にドキドキした。

ヨシがわたしが付いた嘘で悲しんでるのは分かってる。

でも…これはチャンスなんだ。


私はトモの目を見て大きく頷くと、ヨシの家の方を向くと、大きく深呼吸をする。


「行って来る」

「ああ」


私は振り向かないで玄関に向かうと、インターホンを押す。

そして少しするとインターホンから声が聞こえた。


「今開けるから、ちょっと待って」

「うん」


少し待ち、ヨシは玄関を開けると私に言った。


「…ずぶ濡れじゃん。風邪引くから早く入りなよ」


そう言うヨシも学校から帰ったままの格好だ。

私はトモにお礼の合図をしたくて、振り返る。


居ない……?


又前を向き、家の中に入る。


「お邪魔します」

「ん。今俺だけだから」


え?

ヨシと二人きり……?


心臓の音が大きくなって、私は必死にそれを抑えようとする。

でも、ヨシは元気のないままで、ヨシの後を歩くとヨシの部屋に入り、ヨシは部屋の暖房を入れて言った。


「暖房入れてなかったんだ。身体冷えてるよね?シャワーでも浴びる?」

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