あの子と私
そう言われてみると、身体が凍りそうなくらい冷えてる。


でも……


「ううん。大丈夫」


又シャワーなんか浴びてて、ヨシのお母さんが帰って来たら、ふしだらな子だと思われるかもしれない。


「じゃあ、タオル持って来るよ」


ヨシはそう言って一度部屋を出てタオルを取って来ると、柔軟剤の匂いのする黒いトレーナーと一緒に私に渡して言った。


「着替えなよ。俺、出てるから」

「…うん」


ヨシは部屋を出て行き、私は髪や身体をタオルで拭くと、甘い匂いのするトレーナーに着替える。

トレーナーに着替えると、ヨシに包まれているような気分になって、ドキドキする。

部屋を開け、顔を覗かせるとヨシの姿が見えた。


「着替えた」

「あ、うん」


ヨシは部屋に入ると絨毯の上に座る。


「アリスも座りなよ」

「…うん」


私はヨシから少し離れた所にチョコンと座った。


これ以上近くに座ると、緊張して窒息死してしまうかもしれない。

そんな私の気持ちも知らないで、ヨシは表情を暗くして言った。


「俺さ…この前四人でうちで遊んだ時、まゆに告ったんだ……」

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