あの子と私
怖くて


見れないんだ……。


カチカチカチカチ


時計の音だけが大きく響いた。


一秒一秒が凄く長く感じて


この場所から逃げたくなる。



「…アリス」


私は恐る恐るヨシの方に視線を向けた。

ヨシはいつもと違う真剣な顔をしていて、私は又何も言えない。


「……」

「嬉しいよ。そうだよね。俺にはアリスが居るし…トモも居る」


それって……友達って事…?


そんなの嫌だ。


私はヨシの”彼女”になりたいんだ。


「違うよ。私、ヨシが好き」


思わず言ってしまった自分の言葉にビックリした。

ヨシは顔が熱くなって下を向いている私の頭を、優しく撫でて言う。


「じゃあ、付き合う?」

「?!」


私はヨシの言葉に顔を上げる。

ヨシは真雪ちゃんが好きなんじゃないの?

真雪ちゃんが好きだけど、私と付き合うって事…?


でも……それでもいい。


ヨシの”彼女”になれるなら


それでもいい。


私はゆっくりと頷くと、ヨシは私に優しくキスをした。

初めての経験に心臓が壊れる程音を立てる。


「アリス、いい?」


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