あの子と私
ヨシは来てる?

私はジッとドアの方を見る。

するとヨシの顔が見えて、ヨシと目が合い、思わず顔が綻んだ。

先にトモが私の所に来て、私の耳元で小さな声で言う。


「ヨシから聞いた。良かったな」

「…ありがとう」


トモは優しい顔で頷いて、自分の席に座ると、今度はヨシが来る。


「おはよう、アリス」

「おはよ」

「ちょっと照れるね」


ヨシはそう言って少し笑い、私は笑顔で頷いてヨシに言った。


「トモに言ったんだね」

「うん」

「私は…まだ真雪ちゃんに言ってないんだ。真雪ちゃん。…ちょっといい?」


クラスの女の子達に囲まれてる真雪を呼ぶと、みんながこっちに視線を移す。

みんながこっちを見てる。

今、ここでヨシと付き合ってるって言えば、もし真雪の気が変わっても、下手な事は出来ないだろう。


「何?アリスちゃんん」


真雪は笑顔でそう言いいながらこっちに来ようとする。

その瞬間、私は言った。


「昨日から付き合い始めたんだ。私とヨシ」


一瞬真雪の顔が歪む。

そしてクラスの子達も一瞬黙り、こっちを見るとそれぞれが驚いた顔をし、顔を見合わせて騒ぎ始める。

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