あの子と私
「嘘―!川野さんと広瀬くんが?!川野さん、ちょっと頭おかしくなったんじゃない…?」

「だよねー。川野さん、最近変わったとは思ってたけど、冗談迄言う様になったんだ?」


私は何も言わないで、ヨシの方に視線を向ける。

ヨシと目が合うと、ヨシは視線を下に落として言った。


「本当だよ」

「え?」


ヨシは顔を上げ、苦笑いをしながら言う。


「本当だよ。昨日から付き合い始めたんだ。アリスと」

「…え」


みんなが絶句するのを、少しだけ心地良く感じながら、又真雪に視線を向ける。


「おめでとう!良かったね!!」


真雪は笑顔でそう言い、ヨシは真雪に向かって寂しそうに笑い、頷く。


「真雪ちゃん、ありがとう。見守っててね」

「勿論!」




”見守っててね”


そう言えば真雪ちゃんは私を裏切れないだろう。

そして私がヨシの隣に行くと、ヨシが言った。


「今日、学校が終わったら家に来る?」

「うん」


私はそう答え、チャイムが鳴り席に座ると、真雪の方に視線を向ける。

ヨシは真雪ちゃんに片想いをするより、私と付き合う事を選んだんだ。





絶対に邪魔させない。


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