あの子と私
いつもと違う母親の態度に、胸がモヤモヤする。


それはきっと気のせいなんかじゃないんだ。


私が居ない時にお母さんに何か言った?

ヨシと付き合ってる事とか……。

まだ大学の受験勉強があるのに、恋愛をしている事を怒ってるのかもしれない。

ヨシは私の事なんて……好きじゃないのに


母親の態度の事

ヨシとの事


考えても考えても、答えなんて出なくて頭がおかしくなってしまいそうだ。

数学みたいに方程式に当て嵌めたら答えが出ればいいのに。


勉強なんか手に付かなくて、私は勉強を止めていつもより早く眠る。


翌朝、ご飯の時も少しだけ母親の態度をぎこちなく感じた。

お母さんに嫌われたくない…。


お弁当を手に取り、母親に言う。


「お母さん、いつも美味しいお弁当、ありがとう…」

「え?ええ…。今日も勉強頑張って…ね」

「…うん」


小さく溜息を吐き、玄関の外で待っていた真雪の所まで行くと、いつもと同じように学校へ向かう。


「ねぇ、アリスちゃん。アリスちゃんのお母さんって、お弁当、ずっと毎日作ってくれるの?」

「…うん」

「いいなぁ。アリスちゃんのお母さん、料理が上手だから。ヨシも大好きだよね」


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