あの子と私
「え?」

「卵焼き」

「あ、うん……」


何となく、真雪の口から母親やヨシの名前を聞きたくない。

ヨシが真雪ちゃんの事、まだ好きなのを知ってて、ヨシの話をしてるの?


お母さんの事だって本当は真雪ちゃんが何か言ったんじゃないの?


楽しそうに話す真雪に不快感を感じながら、学校に着くと、ヨシとトモはもう来ていて、私は机に荷物を置くと真雪をチラリと見て、急いでヨシの所に行く。


「おはよう、ヨシ。今日は早いね。…ヨシ?」


ヨシは真雪の方を悲しそうな顔で見ていて、私は又不安になった。


「ヨシ…?」


ヨシを見て、又視線を真雪の方に向ける。


……?

トモと真雪ちゃんが並んでる…?


楽しそうに笑っている真雪と、頷いてるトモを見ていると、ヨシが小さな声で言った。


「アリスも聞いたよね?あの二人…付き合い始めたって」


……?

そんなの一言も聞いてない。

だって朝も何も言ってなかった。


「聞いてないよ。いつから…?」

「昨日の夜トモから電話があってさ、『付き合うようになったから』って言われたよ」


ヨシはそう言って落胆する。

どういう事?


< 256 / 319 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop