あの子と私
私は真雪の顔を見ながら考える。

真雪ちゃんはどちらかというと、トモよりヨシに気があると思ってた。

…トモから言ったの?

そして落胆しているヨシを見て私は思った。

トモと真雪ちゃんが付き合えば、もう大丈夫。

だってヨシが真雪ちゃんの方に行ったら、私の事もトモの事も裏切ることになる。


ヨシはそんな事出来ないよね?


又真雪とトモの方に視線を向けると、トモが私の方をジッと見ていて、真雪に何かを言い、真雪がこっちを見て頷くと、トモがこっちに来て言う。


「ヨシ、ちょっとアリス借りる」

「あ、うん」


トモに腕を引っ張られ、あの万引きを見られた日の事をふと思い出す。


トモはいつも私を助けてくれる。


トモは黙ったまま歩き、非常階段に着くと、ドアを閉めて私に聞く。


「…ヨシから聞いたか?」

「うん。本当なの?」

「本当だ」


トモはそう言うと視線を逸らし、空を見る。


嬉しそうじゃ…ない?


「どっちから?」

「…福原。昨日さ、お前らが帰った後、一人で帰ってたら福原が待ってたんだ」

「…それで?」

「『アリスちゃん達付き合い始めたね。トモと私も付き合わない?』って」

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