あの子と私
私は死にそうな思いでヨシに告白したけど、真雪ちゃんは違うの?


「……」

「俺が『何で?』って聞いたら『だって面白そうじゃない?』って言ってた」


面白そうって何…?

真雪ちゃんが何を考えてるのか分からない。


「ふーん…」

「俺と福原が付き合えばアリスの心配も減るだろ?」

「え?」


トモは視線を落として言った。


「俺はいつだってアリスの味方だ。頑張れよ」




そう肩を叩いてトモは教室へと戻る。

私とヨシが上手く行くように真雪ちゃんと付き合い始めた?

少し時間を置いてから教室に戻ると、すぐチャイムが鳴り、みんな席へと戻る。


担任が入って来て、私はそれぞれに視線を向けた。


真雪は何も無かったかのように、いつもと変わらない顔をしている。


トモもダルそうに下を向いてる。


ヨシは…ヨシだけは落胆した顔をしている。


真雪に直接振られて、私と付き合って、真雪とトモが付き合い始めたのに、何でまだ落胆してるの?


彼女は私なのに。


ヨシの気持ちが真雪にある事しか伝わらない。


そして三時間目が終わった時、ヨシが言った。


「アリス、今日は体調悪いから帰るよ」

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