あの子と私
そう言い掛けた時、トモが呆れた顔をして言った。


「お前んちが異常すぎるんだよ。俺、バイト先まで送って来るから、お前はアリスと帰りな」

「…うん」

「じゃあね!」


トモと真雪は教室から出て行き、ヨシはその姿を寂しそうに見送る。


「ヨシ…帰ろ?」


ヨシは私のその声にハッとした顔をして頷く。


「今日もヨシの家に行く?」

「…ごめん、アリス。やっぱり今日は……。途中まで一緒に帰ろう?」

「…うん」


私とヨシはずっと無口になって、駅へと向かう。

そして駅に着きヨシと別れ、家に帰った。

家に帰ると真雪はまだ帰っていない。

そう言えば真雪ちゃんは何処でバイトをしているんだろう?


部屋に入ると部屋着に着替え、勉強を始める。

真雪ちゃんはトモと付き合ってるし、バイトもしているから、ヨシとこっそり会ったりも出来ないだろう。

真雪ちゃんがバイトを始めて良かった。

暫く勉強をすると、玄関が開く音が聞こえる。


真雪ちゃん…?
それともお母さん…?


私は部屋を出ると、玄関の方へと向かう。


すると、少し疲れた母親の姿があった。


「お帰りなさい」

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