あの子と私
「今日はごめん…。中学の時の友達と遊ぶんだ」

「うん…。明日は?明日は行っていい?」

「うん。今日はバスだから行くよ。又明日ね」

「うん」


ヨシが教室から出て行く姿を見送ると、私も学校を出て家へと向かう。


「ただいま」


真雪ちゃんはバイトだけど、お母さんもまだ帰ってない?

家に着き玄関を開けてもシンとしていて、私は何だか分からない不安に襲われ、部屋に戻り部屋着に着替えると、リビングに向かう。

そしてソファーの上に横になった。

最近少し様子がおかしい母親の言動を思い浮かべる。

真雪ちゃんが来た頃はあんなに真雪ちゃんを嫌って、怒鳴りつけていたのに、最近はそんな事は無くなった。


それどころか、お母さんが少しよそよそしくなった気がするんだ。

お父さんみたいに、真雪ちゃんばかりに優しくなったらどうしよう……。


大丈夫
お母さん…早く帰って来ないかな……。

カチカチ時計の音が聞こえて、窓から差し込む日差しが気持ちいい。


何か…


眠くなってきた……。


どれくらい時間が経ったのか分からないけど、人の声が心地いい。


起きないと……


そう思った時だった。


「……だよ。お母さん」


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