あの子と私
ヨシはそう言いながら真雪の方をチラリと見る。

私はそれを邪魔するようにヨシに聞く。


「今日は何する?」

「え?」

「学校が終わったら」

「あ、ああそっか…。うちに来る?」

「うん」


会話はいつもと同じように余り続かない。

真雪の方を見ると、トモと楽しそうに話していて、又不安になる。


ヨシは私と付き合っててもつまらなくて、真雪と付き合ってるトモが羨ましいんじゃないかって……。

チャイムが鳴り担任が来てHRが終わると、授業が始まる。

私はボンヤリと真雪を見た。


『お母さん』


あの声が又聞こえる。


「今日はこの前やった抜き打ちテストを返すぞー」

「えー」


テスト、帰って来るんだ。


「川野」


先生呼ばれ、答案用紙を取りに行くと、思わず笑みが溢れた。

100点だ……。

ヨシと余り上手くいってないし、家も色々あるけど、テストだけは頑張れば私を裏切らないんだ。

数字は私の努力をありのまま表してくれる。


これをお母さんに見せたら


『やっぱりアリスはお母さんの子ね』


きっとそう言うに決まってる。


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