あの子と私
身体は凄く疲れているのに、全身が熱くなって眠れない。

暫くすると正美が戻って来て、小さな声で言った。


「アリス、寝たか?」

「…ううん」

「そっか。明日学校はどうするんだ?朝早く出て、アリスの家で用意して行くか?」


学校……。

朝から家に行って真雪と顔を合わせたくない。

荷物を取りに行くなら、真雪が家に居ない時がいい。


「明日、誰も家に居ない時間に取りに行きたい」

「そうだな。明日はアタシも付き合うよ」

「うん」


正美は疲れていたのか、ドライヤーを掛けて布団に入ると、すぐに寝息が聞こえて来た。

私もすぐに寝ようとしたけど、今、あの部屋でグッスリ眠っているだろう真雪の事を思うと、憎悪が沸いて来て頭が冴える。

寝ているのか寝ていないのか分からないまま、朝を迎えた。


「あー、おはよう…アリス」

「おはよう」

「今何時だ…?」


私は時計に目をやり答える。


「8時ちょっと過ぎてる」

「じゃー、もう一眠りしてから行くか…?」


眠そうな目を擦りながら言う正美に私は答える。

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